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敬遠にまつわるドラマの終焉? 敬遠の申告制は投手有利のルール改正となるのか

敬遠にまつわるドラマの終焉? 敬遠の申告制は投手有利のルール改正となるのか

 コリジョンルールやクロスプレーのリプレイ判定など、最近の球界は、毎年のように新しいシステムや考え方が取り入れられている。今季も、新たに導入されるのが「故意四球の申告制」だ。

 故意四球とは、いわゆる敬遠。捕手が立ち上がって、投手は大きく外した緩めのボールを4球投じ、その後に打者は一塁へゆっくりと進む。これが昨季までの敬遠のシーンだった。

 しかし今季からは、守備側の監督が申告すれば、投手は1球も投げることなく敬遠を与えることができるようになる。もちろん、従来通り外してボール球を4球投げてもかまわないし、カウント途中からの申告も可能。例えば、初球がストライク、2球目がボールでカウント1-1となってからでも、守備側の申告があれば、それ以上投げずに四球としてもOKだ。

ドラマか? 効率か?


 この改革のいちばんの目的は試合時間の短縮だ。とはいえ、1試合のなかでそう何度も起こるプレーではないだけに、申告敬遠により劇的に試合時間が短縮されることはない。むしろ、失われるものに対して嘆く声が多く聞かれる。その代表的なものが「敬遠にまつわるドラマがなくなる」ということ。

 確かに、クロマティ(当時巨人)や新庄剛志(当時阪神)が敬遠球を叩いて記録したサヨナラヒットは、球史に残る名場面ではある。ただ、打ったほうの洞察力や勇気は賞賛に値するが、どちらかといえばあれは守備側の不用意なプレー。筆者の考えだが、投手の敬遠暴投も同様で、不用意な敬遠がなくなることは悪いことではないようにも思える。

新たな敬遠ルールを歓迎する投手がいる?


 この新らたな敬遠ルールの導入を喜んでいる選手もいるだろう。ゆるいボールを投げるのが苦手な投手だ。一塁寄りの投ゴロのとき、至近距離の一塁手へ危なっかしい送球をする投手は、そういったタイプである可能性が高い。そんな投手は、投げなくても敬遠できる新ルールは歓迎のはず。敬遠投球でリズムを崩すこともなくなる。

 なお、すでに1年前からこのシステムを導入しているメジャーリーグでは、昨シーズンに発生した970回の敬遠はすべて申告制で、捕手が立ち上がる従来型を採用するチームはまったくなかったという。

 今シーズンからは日本でも、緊迫した場面で監督が登場して敬遠を指示するシーンが日常的な光景になっていきそうだ。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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