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ブラ清水くんの「センバツ2015ブラバン応援ガイド」〜試合に彩りを加える応援にも注目! 西日本編〜

 3月21日のセンバツ開幕が近づいてきました! 今年はアルプス席のどんな応援に心を揺さぶられるのでしょうか。一足先に、ブラバン応援ウォッチャーの“ブラ清水くん”に会って、応援における今大会の注目ポイントなどを聞いてきました。
“ブラ清水くん”のバックボーンやブラバンへの情熱はこちらの記事で!

 大きなキャリーバッグとともに待ち合わせ場所に現れたブラ清水くん。旅行ではなく、Jリーグ観戦の帰りで、バッグの中には“スポーツ録画機材一式”が入っているとのこと。


「センバツに備えて、試運転をしてきました!」

 ちなみに、本日のマフラーは「常総学院カラーのエンジ色です!」。そこまで……と言いかけて、いやそこまでやって開幕を待つのがブラ清水くんなのだと思い直しました。

 では、西日本からオススメの学校や曲を紹介していきます。

〈西日本編〉
★ブラ清水くんのオススメ高校・ベスト3!

1位:龍谷大平安(京都)

 『あやしい曲』はあまりにも有名で僕も大好きなんですが、どちらかというと個人的には『イカツイやつ』のほうが好きですね。曲名の通り、イカツイ感じで、ガチッガチッみたいな。平安は、各選手ではなくイニングごとの曲で、チャンスになったら『あやしい曲』。ランナーが2塁に行くとすぐ『あやしい曲』になりますね。昨年のセンバツでは打ちまくって、常に塁上を賑わしていたので、『あやしい曲』が鳴り響いている状態でした。

 それもいいんですが、でも、あまり乱発しすぎても価値がなくなるような気がします。せっかく他にもいいオリジナル曲がたくさんあるので、試合の序盤などは普通の曲をやってもらいたいかなあと。他のオリジナル曲が、みんないいがゆえの贅沢な悩みではあります。過去のセンバツでそうだったように、今回さらにまた新曲ができている可能性もあるので期待したいですね。

2位:大阪桐蔭(大阪)

 音質が最強。やはりここ最近甲子園でも好成績ばかりなので、応援慣れもしてきている感じがあります。特徴的な曲でいうと『サーカス・ビー』。アルプスの応援ボードを見ると『TOINマーチ』という名前で呼んでいるみたいですね。オリジナルが1曲あって『You Are スラッガー』。じわりじわりくる、勇壮な感じの曲です。

 他には、既存の曲ですが嵐の『Happiness』も、大阪桐蔭の代名詞的な曲になっていると思いますね。2012年のセンバツで、笠松(悠哉)選手のときに流れて、それに乗って笠松選手が打ちまくった。彼が結果を残したことよって『Happiness』が強く印象付けられた、言わば選手が育てた応援曲という感じです。

3位:奈良大付(奈良)

 ここ数年、チャンスに近江の『近江マーチ』をやり始めたんですよね。それによってオリジナルの『正強音頭』(“正強”は旧校名)をやらなくなってしまったのがすごく残念。僕がたまたま見る機会がなかっただけで、今もやっていると信じたい。だから、『正強音頭』の復活があればという条件付きの3位です。野球部員が左右に足をステップしながら手拍子をするような振り付けが好きですね。単純な動きなんですが、印象に残ります。

 奈良大付は、秋の近畿大会で初戦敗退したことがない、っていうようなチームなんですが、いつも本当にあと1歩で甲子園にたどり着けなかった。1番打者に映画の『ロッキー』のテーマを使用することが多いのですが、それが甲子園で流れる光景を僕もずっと想像していて、今や夢にまで出てきます。

3位:今治西(愛媛)


 もしも奈良大付が『正強音頭』をやらないとしたら、3位に挙げたいのは今治西です。応援団の統率がとれていますし、応援歌もあります。伝統が感じられていいですよね。

 名物はオリジナル曲の『GO WEST』。選手応援曲は、毎年他校があまりやらないような曲が絶対に数曲入っているので、そういう新ネタを今年も期待しています。

■近江(滋賀)

 近江の代名詞といえば、チャンステーマの『近江マーチ』。競馬のG1ファンファーレから始まって『アルプス一万尺』につながっていきます。現役の高校生がソロで吹くファンファーレが見せどころですね。みんな一旦座って、そこから立ち上がって盛り上がります。曲の最後には「勝利をつかむぞ近江」というコールがあって、それも特徴ですね。他では、昨年の夏に聴いた滋賀県にある複合施設・平和堂のイメージ曲もまたやってほしいですね。

■天理(奈良)

 『わっしょい』も、ヒットを打ったあとの『ファンファーレ』も、天理が元祖なので、たしかに野球界の応援の普及には貢献していますよね。普及どころか、今やそれが当たり前になっています。ただ、攻撃のときは、基本3曲『ラブミーテンダー』『セントポール』『オブラディオブラダ』を延々繰り返しているだけで、大チャンスのときだけ『わっしょい』みたいな。応援が単調といえば単調になっていて、もうちょっとレパートリーがあってもいいかなあと思います。

■岡山理大付(岡山)

 チャンスのときは『鬼のパンツ』(原曲『フニクリフニクラ』)。選手個人のテーマ曲で聴きたいなあと思うのは『ホット・スタッフ』(ドナ・サマー)。以前、コカコーラのCMでも流れていた曲ですね。今大会でもやってくれると信じたいです。

■神村学園(鹿児島)

 『ジンギスカン』と『サンバデジャネイロ』はアレンジも格好良くてかなり好きですね。他には『アルプス一万尺』とか、ノリのいい曲が多い印象です。ただ最近、阪神のチャンステーマをやり出していまして。今、高校野球応援ですごく流行ってはいるんですが、神村学園の演奏の感じにはちょっと合っていないような気がします。

■糸満(沖縄)

 沖縄代表は自前ではなくて、いつも兵庫県の市立尼崎の吹奏楽部が応援演奏に来ています。今大会は兵庫代表が出場していないので、ある意味、応援だけ兵庫代表ですね。最近は『ハイサイおじさん』を演奏する比率が薄れてきて、浦和学院の『浦学サンバ』のマネなんですが、沖縄尚学が出ると『沖尚サンバ』、浦添商なら『浦商サンバ』をやるといった傾向になっています。糸満がどうするのかはわかりませんが、できたら興南が2010年春夏連覇したときにやっていた『ヒヤミカチ節』とか、そういう曲のほうをやってもらいたいですね。

 九州学院(熊本)は、得点したときに『エリーゼのために』を演奏します。ロッテが昔やっていましたね。英明(香川)は、今回はわからないですが、過去は定番中心の応援でした。桐蔭(和歌山)も、定番中心で、チャンステーマには『エルクンバンチェロ』を使っています。立命館宇治(京都)もあまり特徴はありませんが、過去センバツに出場したときには『グレーター立命』という立命館大学の応援歌を少しだけ演奏していましたね。

 米子北(鳥取)、宇部鴻城(山口)、21世紀枠の松山東(愛媛)は今大会が初見です。九産大九州(福岡)は10数年前の夏の甲子園で聴いた記憶がありますが、実質初めてのような感じ。ネットで見る限り、応援団などもあるらしく、期待しています。


 ブラ清水くんに会ったのは3月7日。何やら対戦カードのような紙を見ながら取材に答えてくれました。

「抽選って来週ですよね !?」
「あ、これは自分で勝手にシミュレーションした今大会の組み合わせです。もしも、この対戦になったら1塁側に行くとか、観戦計画を立てるために作っているんです」

 各学校のくじ番号と2回戦までの組み合わせが決まっていました(完全に架空)。「ホンマにヒマ人の遊びですよ〜」と言いつつ、目は本気。さすがブラ清水くん、そうやって観戦のモチベーションを上げていくそうです。

 応援的にも野球的にも実現してほしいカードのベスト3は

常総学院vs龍谷大平安
県岐阜商vs木更津総合
東海大菅生vs奈良大付

 とのことです! 東海大菅生vs奈良大付は準決勝、常総学院vs龍谷大平安及び、県岐阜商vs木更津総合は決勝でないと見られませんが、東日本編2位の東海大菅生と西日本編2位の大阪桐蔭がセンバツ開幕日の第2試合でぶつかるので、初日から応援合戦が楽しめそうです。

 さて、ブラ清水くん期待のカードは実現されるのでしょうか。応援もさることながら、ぜひそちらにも注目して見てください!


●“ブラ清水くん”プロフィール
清水祥人(しみず・よしと)/1983年生まれ、大阪府出身。拓大紅陵(千葉)をきっかけに応援曲の世界にのめり込み、2004年から球場でのナマ録音を始める。甲子園大会の前後には『野球太郎』誌上などで「ブラバン・スカウティングレポート」を発信。ブラスバンド応援に精通していることから、愛称は“ブラ清水くん”。YouTubeアカウントはbaseballbgm。


■ライタープロフィール
小林美保子(こばやし・みほこ)/兵庫県在住のライター。東京のスポーツライター事務所を経て、フリーとなる。取材活動は地元・兵庫を中心に近畿、中国地方などを幅広くカバーしている。

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