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2013年4月9日〜4月15日 野球みどころランキング

 『今週の野球みどころランキング』は、4月第2週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!

第7位 よみがえる近鉄vs.南海―NPB


 19日から21日にかけて、京セラドーム大阪で「OSAKA CLASSIC 2013」が開催されます。これは数年前から見られるようになったオールドユニフォームを着用して対戦するイベントで“ホークス”設立75周年を記念してオリックスとソフトバンクが協力して実施するもの。今回着用するのは、オリックスが1978年〜1996年まで使われていた赤、白、紺の近鉄ユニフォーム。ソフトバンクは1984年から1988年まで使われていた緑色の南海ユニフォーム。いずれもホームモデルを着るとのこと。ゲストOBの来場や、当時を彷彿とさせるイベント・ビジョン演出も予定されています。

 またこれに先立ち、13日にはオリックス、ソフトバンクに、南海電鉄による共催イベント「バファローズVSホークス復活祭inなんばパークス」も開催。門田博光氏とカズ山本氏によるトークショーなどが予定されています。

 またQVCマリンでは平日ナイター限定企画として「曽根会長の天気予報」を実施中。幕張海岸観光組合の組合長で、球場でモツ煮を販売する曽根太一さん(87歳)が、試合前のビジョンに登場。雲の動きや風のにおいを観察しながら経験と勘でゲーム中のお天気をアドバイスするというもの。曽根さんのアドバイスから、ロッテの勝敗に関するジンクスが生まれそうな予感もしますね。

第6位 法政大学野球部で前代未聞のクーデター?―大学野球


 5日、昨秋の東京六大学リーグを制した法政大学野球部を、10年にわたり率いてきた金光興二監督が、選手からの直訴により退任が決まるという事件が起きました。金光監督と選手の間の不和は以前からあり、また金光監督はOB会との間でも人事を巡るトラブルを抱えていたとも伝えられています。

 OB会と現役選手は、監督の任命権を持つ大学の総長にそれぞれ退任を嘆願。これを受けて大学側は金光監督の解任を決めたとのこと。特に選手側からの嘆願が決定打となった模様です。

 金光監督は広島商では、達川光男(現解説者)らと江川卓の作新学院を倒し、法大時代はその江川と黄金時代を築きました。近鉄の指名を断り三菱重工広島に進むと、都市対抗で活躍。現役引退後は広島商でも指揮を執り、2003年より満を持して法大の監督に就任していました。

.  法大出身の英雄の1人である人物がどんな指導で多くの人の反発を招いたのかはクリアに伝わってきませんが、選手が春季リーグ不参加をも選択肢に入れ、退任を迫ったのですから、何か大きな問題があったのでしょう。なお、新監督はこれまで助監督を務めていた神長英一氏が務めることが決まっています。

第5位 女子プロ野球、拡大にともない混乱―女子プロ野球(JWBL)


 今年から女子プロ野球が生まれ変わっています。昨年までの関西3球団が前後期制で戦う方式から、これまでの3球団、京都、大阪、兵庫を継承した西日本、南日本、北日本の球団と、新設した東日本の球団を加えた4チームによる2日間のトーナメント=「ティアラカップ」を全国で23大会開催します。その優勝回数で年間王者を決める形に改められました。開幕戦は3月30日、31日に京都で行われ、新設球団「イースト アストライア」が優勝しています。

 なお、これとは別に東西対抗のオールスター戦に近い「ビクトリアシリーズ」なるものを神宮球場やわかさスタジアム京都、ほっともっとフィールド神戸などで全9戦を実施するとのこと。東京のUHF局TOKYO MXTVでは専門の番組もスタートされており、大都市圏へのPRを図るべく、全国を行脚するティアラカップとは異なる接点を設ける狙いがうかがえます。

 ただ、開幕早々にトラブルが発生。機構では選手のセカンドキャリアをサポートすべく、様々な専門学校への通学と資格取得を課していました。しかし、このたび専門学校を卒業できず資格取得を果たせなかった選手が出たことで、機構は8選手に対し出場停止処分を通達。この“反省するまで部活動禁止”のような処分に対して「プロなのに」という声が…。なお、処分を受けた選手の中には、W杯代表の常連である小西美加ら、女子プロ野球告知ポスターに載る選手が複数も含まれており、集客や戦力バランス与える影響も大きいと指摘されています。

第4位 ラミレス2000本安打達成、巨人は7連勝―NPB


 開幕カードは広島相手に接戦を獲りきわどい勝負をしていた巨人でしたが、その後は得点力を上げDeNAと中日相手に5連勝。引き分けを挟んで7連勝となり、昨シーズン唯一もたついた序盤も、今シーズンはきっちり勝っています。6日はルーキー・菅野智之も初勝利を挙げました。打線は村田修一、ボーカー、ロペスらが絶好調。安定感のある戦いを続けています。追いかけなければいけない阪神、中日はともに打線がまだ元気がありません。

 その代わりに2位と3位に押し上げてきたヤクルトとDeNAはそれぞれ投手陣と打線の状態がいいです。ただヤクルトはクロスプレーでケガした捕手・相川亮二と、ヒジ靭帯を断裂したエース・館山昌平の離脱が決定。館山は手術を予定しており今季絶望との報道も。ヤクルトはいきなり苦境に立たされました。

 パ・リーグは戦前の予想通り混戦模様。今のところは得点力を上げる補強を講じた楽天とオリックスがいい結果を出しています。

 開幕カードから盛んに出場していた新人選手は、2カード目以降も登場中。3日にはヤクルトの小川泰弘(2012年ドラフト2位)が初先発。広島を相手に6回を無失点に抑え初勝利を手にしています。ソフトバンクのアンダースロー・山中浩史(同ドラフト6位)も3日、1位の東浜巨に先立って初先発を果たしましたが、4回途中で5失点KO。コーチの評価はそこまで低くもありませんでしたが、二軍での調整が決定。代わって東浜の一軍合流が噂されています。なお新人の初本塁打も生まれており、西武の金子侑司が記録しています。

 今期間、最大のニュースは、7日に達成されたアレックス・ラミレス(DeNA)の2000本安打でしょうか。外国人選手としては初、スピードでも川上哲治(元巨人)の1646試合に次いで2番目となる1695試合という偉大さはもちろん、いつも明るくそれでいて謙虚なラミレスのキャラクターもあってか、あらゆるチームのファンが祝福した2000本安打だったような気がします。

第3位 浦和学院が初の全国制覇。2年生投手の酷使は是か否か―高校野球


 3日をもって13日間にわたるセンバツ高校野球が閉幕しました。準決勝には 敦賀気比(福井)と浦和学院(埼玉)、高知と済美(愛媛)が残り、決勝は浦和学院と済美のカードに。この日まで甲子園5試合を1人で投げ抜いてきた済美の2年生エース・安樂智大はさすがにコンディションを落としていたと見え、この日の最速は142キロ。さらに球速が落ちた5回につかまり7点を失うと、6回にも2失点してついに降板。結局試合は17対1というワンサイドゲームで浦和学院が初優勝。春夏計20回目の甲子園出場で、縁遠かった栄冠をついに手にしました。

 ただ結果以上に、といってもいいほど今大会注目を集めたのは、安樂の投球数。初戦で232球、中3日で159球、中1日で138球。ここからは連投で134球、109球。結局9日間で772球を投じたことになります。ちなみに戦った浦和学院の2年生の主戦投手・小島和哉も日程的には多少余裕がありましたが5試合で580球を投げていました。

 こうした状況に「投球制限を!」という声とともに「それだと強豪校のような選手層の厚いチームしか勝てなくなる」という意見も聞こえてきます。ただ、そうだとしても、優先されるべきは選手の肩やヒジであるはず。大人たちが投球制限の下で世界大会(WBC)を開いている一方で、成長途上の10代の選手がリスクを冒しながら頂点を争っている状況は、冷静に考えるとものすごく変な状況のような気もします。

第2位 首相官邸が長嶋茂雄&松井秀喜に国民栄誉賞を検討―NPB


 2日、ミスタープロ野球・長嶋茂雄読売ジャイアンツ終身名誉監督と昨シーズンで現役を引退した松井秀喜氏に首相官邸が国民栄誉賞を送ることを検討していることが明らかに。

 これまでプロ野球選手で受賞しているのは賞自体が創設されるきっかけとなった王貞治(1977年)と衣笠祥雄(1987年)のみ。ただ福本豊(1983年)、イチロー(2001、2004年)は打診を受け、断ったと言われています。

 なお、スポーツ選手では柔道の山下泰裕(1984年)、千代の富士(1989年)、高橋尚子(2000年)、なでしこJAPAN(2011年)、吉田沙保里(2012年)、大鵬(2012年)がこれまでに受賞しています。

 国民栄誉賞の基準はかなり曖昧だと指摘されていますが、野球選手については本塁打(王)、盗塁(福本)、連続試合出場(衣笠)、安打数(イチロー)などでMLBの記録を破った際に授与が検討されてきたという歴史があります。比較的基準ははっきりしていたといえます。ただ今回の長嶋終身名誉監督と松井氏についてはそうした記録的なものはないため、ある意味では1つの方針転換が行われたと見るべきなのかもしれません。

 なお、国民栄誉賞受賞に際して、この二人にスポットライトを当てる連載「みんなの長嶋茂雄ラボ」が始まりました。こちらもよろしくお願いします。

第1位 ダルビッシュがいきなりのベストピッチで偉業“未遂”―MLB


 現地時間3月31日に開幕したMLBは、各チームおおむね2カードを終えたところ。日本人選手ではレンジャーズのダルビッシュ有が2日(現地時間)のアストロズ戦、7日のエンゼルス戦に先発。マリナーズの岩隈久志は同じく2日のアスレチックス戦、7日のホワイトソックス戦に先発しました。ヤンキースの黒田博樹は3日のレッドソックス戦に先発し、次の登板は8日のインディアンズ戦の予定です。

 既報の通り、ダルビッシュは今季初先発の試合で完全試合目前の8回2/3まで走者を許さないピッチングを展開します。あと一人というところで惜しくも完全試合を逃し、しかも降板してしまいました。次のエンゼルス戦は制球難が出て5回までに5四死球を出し3失点。さらに6回途中で右手薬指の皮が剥け降板という憂き目に遭いました。打線の援護で勝ち星はつきましたが、昨年のような試合ごとの波が今年も出たのは少し気がかりです。

 岩隈は初戦を6回を2安打無四球、失点を1に抑えて勝ち投手に。次戦も3失点したものの89球で8回を投げ切っています。黒田博樹は初戦で2回途中までに2点を失い、さらに打球が右手に当たり負傷。これでマウンドを降りる不完全燃焼のストレスを、次戦インディアンズ戦にぶつけます。

 救援陣ではカブスの藤川球児が無事MLBデビュー。1日、4日のパイレーツ戦、6日のブレーブス戦に登板し、初戦でセーブを記録。しかしブレーブス戦では打ち込まれ敗戦投手に。メジャーの洗礼を浴びましたが首脳陣の評価はなお高く今後はクローザーとして起用される見込みです。上原浩治、田澤純一(ともにレッドソックス)も登板機会を得ており、田澤は1勝、上原は2回を無失点と仕事を果たしています。滑り込みでメジャー契約を結んだカブスの高橋尚成も初登板を無難に終えました。

 野手はイチロー(ヤンキース)にエンジンがかからず、開幕から6試合で2安打と調子が上がりません。対照的にブルワーズの青木宣親は絶好調。開幕戦では本塁打を放ち、以降も27打数10安打とヒットを重ねています。しかしチームは1勝5敗と勢いに乗れません。

 またオリオールズの一塁手、クリス・デービスは開幕戦から4試合連続本塁打。16打点を稼ぎ出しMLB 記録を樹立して話題に。またイチローのチームメイトで今季をもって現役引退を表明しているヤンキースのクローザー、マリアノ・リベラは約1年ぶりのセーブを挙げています。

 ダルビッシュの好投に、ラミレスの2000本安打、巨人は72年ぶりの開幕7連勝と次々と話題が更新されていきますね。中村紀洋(DeNA)や谷繁元信(中日)の2000本安打も迫ってきています。次に達成される大記録は何になるのでしょうか?

野球界の主なスケジュール


▼女子プロ野球関連
4月10日 「日本女子プロ野球リーグ九州開催記念 スペシャルマッチ2013」@北九州市民球場
→福岡ソフトバンクホークス vs オリックス・バファローズの試合開始前に、ホークスOB 柴原洋さんと、植村美奈子選手による一打席真剣勝負を行います。
4月13、14日 「ティアラカップ」@高知市営球場 両日ともに第1試合は11時試合開始予定
4月20、21日 「ヴィクトリアシリーズ」@神宮球場 両日とも19時試合開始予定

▼祝・NPB、MLB開幕!
3月下旬〜 春季高校野球都府県大会
4月上旬〜 春季大学リーグ戦開幕
4月13日 「バファローズVSホークス復活祭inなんばパークス」
4月下旬〜6月上旬 春季高校野球地区大会
九州大会はゴールデンウイーク前、四国大会は5月上旬。関東大会が5月中旬。その他の地区大会は5月下旬から6月上旬に開催される予定です。

▼大学野球開幕日
下記の大学リーグ以外はすでに開幕。
東京六大学リーグ  4月13日
首都大学リーグ   4月13日
仙台六大学リーグ  4月13日
南東北大学リーグ  4月13日
北東北大学リーグ  4月20日
九州六大学リーグ  4月20日
福岡六大学リーグ  4月20日
北海道学生リーグ  4月27日
札幌学生リーグ   5月1日
九州地区大学野球トーナメント 5月14日
第62回全日本大学野球選手権大会  6月11日〜(6日間)

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