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ファームの起用法にも要注目! DeNA2軍で虎視眈々と1軍昇格を狙うブレイク間近の投手たち

 投手力が課題と言われ続けてきたDeNA。昨季はリーグワーストのチーム防御率3.80だったが、今季はリーグトップのチーム防御率3.33と投手陣の躍進が目立っている。

 ルーキーの今永昇太や熊原健人をはじめ、砂田毅樹、三上朋也と若手の活躍も光る。ファームで育成中の選手の中に、更なる有望株はいるのだろうか。2軍のちょっと変わった起用法とともにDeNAの若手に迫ってみたい。

高卒2年目の飯塚悟史はファームで主戦級の活躍


 日本文理高(新潟)時代は1年夏からベンチ入りし、秋からはエースナンバーをつけるなど早くから期待されていた飯塚悟史。2年夏から3年の春夏と3季連続で甲子園出場を果たした。高校2年秋の明治神宮大会では計3本塁打を放つなど打者としての評価も高かったが、2014年のドラフト7位で投手としてDeNAに入団した(写真は高校時代の飯塚)。


 ルーキーイヤーはケガもあり、イースタン・リーグで5試合、計15イニングに終わったが防御率は0.60と才能の一端を見せた。オフには台湾でのアジア・ウインターリーグに参加し、7試合で防御率2.08と好成績を残した。

 迎えた今季。飯塚は2軍の先発ローテーションに定着している。登板した11試合すべてで5イニング以上を投げ、最近3試合の登板は8回、8回、7回と続けて長いイニングを投げている。

 6月20日現在、2軍で5勝5敗、防御率3.13。チームでただひとり規定投球回以上の69回を投げ、71被安打、19与四球、33奪三振。投球回のわりには三振を奪えていないのは気になるが、高卒2年目としては十分な成績だ。チーム事情にもよるが、シーズン終盤には1軍での先発機会があるかもしれない。

2軍では無双状態も、1軍の壁を乗り越えたい平田真吾


 2013年ドラフト2位でHonda熊本からDeNAに入団した平田真吾。ルーキーイヤーから1軍での登板に恵まれ、2年目の昨季は28試合に登板と、着実に実績を重ねてきた。


 今季、イースタン・リーグで18試合に登板し1勝0敗、チームトップの6セーブ、防御率1.59。22回2/3を投げ、30奪三振と2軍では圧倒的な成績だ。

 しかし、1軍では登板した4試合全てで失点し、防御率21.60と1軍の壁にぶつかっている。現状、DeNAのリリーフ陣は山崎康晃、三上朋也、田中健二朗、須田幸太、熊原健人、大原慎司、小杉陽太と充実している。現状、そのなかに割って入るのは難しいが、アクシデントがあったときのためにも2軍でしっかりと準備しておきたい。


興味深い起用法が目立つDeNA2軍投手陣


 ところで、DeNA2軍の投手起用は一種独特だ。

 イニングの途中での交代がほとんどないのである。

 ここまでDeNAの2軍は72試合を消化しているが、イニングの途中で投手が交代したのは6回しかない。そのうち5回は先発投手の交代で、リリーフ投手がイニングの途中で交代したのは1回だけだ。

 この起用法は2014年から見られ、2014年は10回、昨季も12回しかイニング途中での投手交代がなかった。2013年はイニング途中での投手交代が54回あったが、最近3年は激減している。

 チームの方針なのかどうかはわからないが、どれだけピンチを招いても、どれだけ失点を重ねても最低1イニングは投げることで多くの経験を積めることはたしかだ。

 そういった経験が、今季の若手投手陣の躍進につながっている可能性もある。


文=京都純典(みやこ・すみのり)
1977年、愛知県出身。出版社を経て独立。主に野球のデータに関する取材・執筆を進めている。『アマチュア野球』(日刊スポーツ出版社)、『野球太郎』(廣済堂出版)などに寄稿。1軍はもちろん、2軍の成績もチェックし、分析している。

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