週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

高校野球初の北陸勢優勝に導いたシンデレラボーイ・松本哲幣の這い上がり人生とは

 高校野球発祥100周年の今夏、甲子園では連日、熱戦が続いている。
 今年のセンバツを制し、今夏の甲子園で最注目校の1つである敦賀気比。1回戦屈指の好カードと呼ばれた明徳義塾との一戦は、延長戦の末、サヨナラ勝ちでものにした。2回戦は、本日の第4試合に予定されており、またもや強豪校の花巻東と戦うことになっている。そこで試合の行方を握るだろう敦賀気比の松本哲幣に注目したい。

持ってる男! 史上初の怪記録達成


 松本といえば、センバツでは背番号「17」をつけた選手でありながら、敦賀気比を優勝に導いたシンデレラボーイだ。初戦の奈良大付戦では2本の長打を含む3安打をマーク。そして、準決勝の大阪桐蔭戦で2打席連続満塁本塁打を叩き込む、史上初の歴史を作った。決勝戦の東海大四戦でも、8回裏に試合を決める2ランを放ち、北陸勢初の全国優勝に大きく貢献した。



目立たなかった中学時代


 松本は1997年10月31日生まれ。京都府出身で、京都ライオンズボーイズ(現京都嵐山ボーイズ)から敦賀気比へ進学。御所南小1年時に野球を始め、中学時代は投手で4番に座った。

 しかし、自身の中学時代を振り返ると「打つほうでも投げるほうでも、そこまで目立っていなかったです」と回顧している。体も飛び抜けて大きいわけではなく、打順は4番でも、そこまで大きな成績も残していなかったという。

 敦賀気比に進学後も、投手としてプレーしていたが、2年春に肩の故障で投手から外野手に転向した。新チームが始まった直後に痛め、1年の秋は何もできなかったという。「正直、自分の高校野球は終わったのかな……とかなりショックもありました」と、松本は当時を振り返っている。

努力が実を結んだ春のセンバツ


 ケガが癒えると、とにかく自分を追い込んだ。ウエートなどキツい練習でも、限界を超えることを意識してトライ。全体練習だけでなく、自主練習でも、とにかくバットを振ることだけを考えていた。その努力が実り、2年秋から試合出場が増え、センバツでの大活躍に至った。

 大阪桐蔭戦の2打席連続満塁本塁打を振り返った松本は、「あんな弾道でいったホームランは初めてだったので、自分でも驚きました」といい、「今でもときどき映像を見ますが、あのときの自分は本当に自分じゃない感じがします」と語っている。

 自身の高校野球生活は終わった……というほどのケガから、文字通り這い上がってきた松本。今大会では背番号「7」となった。1回戦の明徳義塾戦では、3打数3安打で名門撃破に一役買い、その実力を証明した。

 史上8校目の春夏連覇の期待がかかる敦賀気比。大舞台に強い松本の活躍は必要不可欠だ。

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方