野球太郎の姉妹誌「中学野球太郎」が取材した強豪校のトレーニング術や問題解決方法などを掲載する新コーナー。子供たちに野球を教える指導者だけでなく、草野球ファンの方も必見!
内容は雑誌「中学野球太郎」Vol.5(2014年9月22日発行)のダイジェスト版です。
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中学球児がもっとも苦手とするボールのひとつである変化球。絶対に打たなければいけない場面を想像してみよう。2ストライクまで追い込まれてしまった君。ここで打たなければ敗北という場面で、ボールは外角に流れる変化球。バットは動き出してしまった。なんとか食らいつきたいとバットを伸ばすも三振…。どうすれば打てたのだろうか…。
手だけで打ちにいっている!
後ろ足でバランスを取ってみよう
(野木町立野木第二中・板倉茂樹先生)
★後ろ足で変化球を打つ!
中学野球で解禁となる「変化球」。曲がる球、落ちる球、緩い球……、小学生のときには出会わなかった球種に対応しなければいけない。
板倉先生の考えは、後ろ足をどう使うか。右バッターなら右足、左バッターなら左足だ。このキャッチャー寄りの足をうまく使うことで、うまく変化球をさばけるようになるという。
「バッターというのは『打ちたい』と思うあまり、体のすべてがピッチャー側に向かっていってしまう傾向があります。でも、前があれば後ろ、右があれば左があるように、人間は動きながらバランスを取るもの。変化球を打つときも、前に泳がされたときは後ろ足をキャッチャー方向に引く。外にスライダーが逃げていくときは、足を斜め後ろに引いてみてください」
こうすることで、泳がされたとしてもバランスを保て、強いスイングが可能となる。
「ピッチャーから見ると、後ろ足を引かないバント・スクイズは怖くありません」
そう語るのは、中日〜西武で投手として活躍した宮下昌己監督(東京青山リトルシニア)だ。
「ウエストされたとき、体が開いていては遠くの球に飛びつけない。後ろ足を引いて構え、その足で踏み切ると遠くの球まで飛びつけます」
この動きも力のバランスを利用した原理だ。常に動きの方向性と結果を考えよう!
場所:中
人数:2人
難易度:易★★★★★難
目的:力のバランスを実感する!
■練習法/バッターは踏み込んだところで足幅を決め、真後ろからトスされたボールを地面すれすれのところでさばく。ミートポイントは、踏み込んだ前足よりもさらにピッチャー寄りに設定する。
■狙い/変化球で崩されたときの対応力を身に付ける。前に崩されているのであれば、後ろ足をキャッチャー方向に引く。これにより、腕を伸ばしやすくなり、地面ギリギリのボールでも届くことが実感できるはずだ。
■注意点/簡単にバットが届くようなトスでは、練習の効果が薄れてしまう。腕をめいっぱい伸ばしてギリギリ届く位置に、トスをする。はじめはどこに飛ぶかわからないので、周囲には十分注意する。
ボールの行方に注意。テニスボールなどを利用して安全に取り組もう!
是非やってみてよう!
イラスト=アカハナドラゴン
文 大利実 落合初春