ドラフト2位の古谷優人は、4月2日の高知ファイティングドッグスとの交流試合に登板。初の実戦にもかかわらず2回無失点の好投。最速151キロをマークした。
高卒1年目の今季は体作りがメインになるだろうが、実戦での好結果が続けば左腕不足というチーム事情があるだけに、早期1軍昇格の可能性もある。
古谷が好投した試合でマスクを被ったドラフト3位の捕手・九鬼隆平もいい動きを見せている。
ウエスタン・リーグの開幕戦となった阪神戦では、高卒ルーキーながら9番・DHでスタメン出場。第2打席では、1軍で通算13勝、59ホールドの実績を持つ榎田大樹から三塁打を放つなどいきなり存在感をアピール。
その後も3軍では4番に座り、2軍でもマスクを被る機会に恵まれるなど、城島健司以来の「10代捕手1軍入り」もあるのではと大いに期待させる活躍ぶりだ。
ウエスタン・リーグの開幕戦にはドラフト4位の三森大貴も出場。走攻守の三拍子が揃った身長184センチの大型ショートとして首脳陣からの評価が高い。
高卒ルーキーたちが評価を上げているなか、5球団競合の末に入団したドラフト1位の田中正義は、キャンプ中に発症した右肩の違和感のため調整中。1軍はもちろん、2軍、3軍でもまだマウンドに上がっていない。
同期の佐々木千隼(ロッテ)が1軍初登板初勝利を挙げ、先を越されてしまった感はあるが、無理をせず、万全の状態になるまでじっくり調整してほしい。
ルーキー以外の若手に目を向けると、昨年のU-23日本代表で活躍した真砂勇介。九鬼の活躍に刺激を受けたのか、好調な打撃を見せる捕手の栗原陵矢。投手では2015年のドラフト1位・高橋純平と2位の小澤怜史。彼らもウエスタン・リーグで順調に実績を積み重ねている。
1軍未経験の彼らのなかから何人が、1軍デビューを果たすことができるか?
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住の47歳。広告代理店運営、ライター、イベンター。生まれも育ちも北海道ながらホークスファン歴約40年。