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1軍未登板、マイナー暮らしの元ドラ1位。“メジャー逆輸入投手”村田透(日本ハム)の雑草人生


期待された「上原2世」


 インディアンズ3Aから日本ハムに加入した村田透。

 もともと2007年の巨人のドラフト1位指名選手で、「大阪体育大学出身のドラフト1位」という経歴から、同大先輩の上原浩治(カブス)を引き合いに「上原2世」と呼ばれた逸材だ。

 しかし、巨人時代の3年間は1軍登板を果たせず、2軍でも目立った活躍をすることができなかった。その結果、わずか3年で戦力外となる。

 「金の卵」からチャンスをものにできず波乱の野球人生を歩んだ村田の、NPB復帰までの6年間を追ってみたい。

トライアウト、そしてアメリカへ


 2010年に巨人から戦力外通告を受けた直後、12球団合同トライアウトに参加。その姿がインディアンズのスカウトの目にとまり、傘下球団とのマイナー契約を結んだ。

 2011年はアドバンスドAのキンストン・インディアンズ(現・カロライナ・マドキャッツ)で22試合に登板し、3勝2敗2セーブ、防御率2.36の成績を挙げた。

 2012年は2Aのアクロン・エアロズ(現・アクロン・ラバーダックス)で開幕を迎え、3A昇格とアドバンスドA降格を繰り返しながらも、最終的には同球団のチャンピオンシップシリーズ制覇に貢献。

 2013年、2014年も時おり3A昇格を果たすものの主戦場は2Aで、しかも飛び抜けた成績を残すことができず苦しい日々は続いた。

1日だけのメジャー


 2015年、3Aのコロンバス・クリッパーズで開幕を迎え、6月までに13先発を含む14試合の登板で防御率2.79の好成績を残すと、6月28日に念願のメジャー契約を勝ちとった。

 メジャー当日にオリオールズとのダブルヘッダー第2試合で先発登板したが、3回1/3を投げ失点5(自責点3)で敗戦投手に。翌日、3Aに降格した。

 しかし、3Aでは結果的に27試合の登板で15勝4敗、防御率2.90の成績を残し、インターナショナルリーグの最多勝に輝いた。


頑張れ「メジャー逆輸入」!


 メジャー再昇格を目指した2016年は、昇格を狙う以前に先発を希望する村田と若手中心の先発陣を揃えるチームとのズレが生じ、オフに自由契約となった。

 今季7年ぶりにNPB復帰となった村田だが、過酷な環境のアドバンスドAからメジャー昇格を狙える3Aに定着し、安定した成績を残したのは立派の一言。

 NPBで1軍登板のなかった村田は、いわば「メジャー逆輸入投手」。過去には村上雅則(元ジャイアンツほか)やマック鈴木(元マリナーズほか)、大家友和(元レッドソックスほか)といった逆輸入投手がいたが、村田にはそれに負けない活躍を見せてほしい。


文=サトウタカシ (さとう・たかし)

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