巨人に移籍して4年目の昨季は、打率.236と不本意な成績に終わった村田修一(巨人)。今季は復活の兆しをみせている。4月末まで全試合サードでスタメン出場して、コンスタントに安打を量産。
特に二塁打の数は、4月末時点で12本とリーグトップの数字をマーク。川端慎吾(ヤクルト)よりも多いという、驚きの結果だ。打てないことで「乙女・村田」と揶揄されたこともあったが、今年こそは「漢・村田」の復活に期待したい。
シカゴ・カブスからソフトバンクに戻ってきた和田毅が、さすがの投球を見せている。
4月終了時点で5試合に先発して3勝1敗、防御率1.85をマーク。圧巻だったのは4月20日のロッテ戦だ。9回を投げ切り5奪三振1四球で、2011年9月21日以来、1673日ぶりの完封勝利を記録。メジャーでは思うような成績を残せなかったうっぷんを晴らすかのような快投を魅せた。
さらに登板時には、決まって斐紹(あやつぐ)とバッテリーを組むことで、捕手育成にもひと役買っている模様。このあたりは、経験豊富なベテランのなせる業だろう。
昨季は6試合しか出場できず、入団3年目以来の出場試合数が10試合未満となった上本達之(西武)。今季はいよいよ、崖っぷち…と思われたが、開幕から4月終了までに15試合に出場。24打数9安打、打率.375とスタートダッシュを切ることに成功した。
特に11回起用された代打での成績は9打数4安打、打率.444、3打点とまさに「リーサルウエポン(最終兵器)」と呼べる活躍。91試合に出場した2010年を超える、キャリアハイ更新に期待がかかる。
内野ならどこでもこなすユーティリティープレーヤー・渡辺直人(西武)も絶好調スタート。4月終了時点で17試合に出場して42打数16安打、打率.381。中村剛也(西武)が死球の影響で指名打者として出場した際も、三塁のポジションをしっかりと埋め、2年ぶりの100試合出場を目指し奮闘している。
しかし、4月30日のソフトバンク戦で左太ももを痛めて5月4日に登録抹消。一日も早い復帰が待たれるところだ。
紹介した4選手以外にも、藤川球児(阪神)、久保康友(DeNA)、新垣渚(ヤクルト)、木村昇吾(西武)ら、健闘している選手たちは、まだまだいる。
しかし、真打ち・松坂大輔(ソフトバンク)が戻ってこないと「松坂世代」は締まらない。ウエスタン・リーグで調整を続ける松坂の回復が、ただただ待ち遠しい。
文=勝田 聡(かつた さとし)
松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。