今年のプロ野球界、契約更新のニュースにおける最大のトピックは筒香の年俸3億円到達。今季は二冠王を達成し、文句なしの契約更改となった。この大台は球界を代表するスラッガーに与えられる勲章といっていい。
振り返れば、昨年の筒香は初の年俸1億円を手にした。年棒の伸び率は昨年が前年対比で217%、今年が300%と驚異の伸び率となっている。
さすがに来年の更改で300%以上の伸び率を見せるのは難しいと思われるが、仮に137%の伸び率ならば、現役の打者の最高年俸を得ている中村剛也(西武)の4億1000万に手が届く。
ちなみにNPBの打者の歴代最高年俸は2002年、松井秀喜氏(当時・巨人)の6億1000万。松井氏のこの年俸まではまだまだ大きな差がある。
昨年、今年と大幅な成長を遂げ、来年の契約更改では1億を突破すると思われる選手がDeNAには2名いる。一人は満身創痍ながらもCSでチームをリードし続け、「熱いCS」を象徴する活躍を見せた梶谷隆幸だ。
今年の契約更改では惜しくも1億目前の9300万でのサインと報じられている。だが来季も、今季と同様の活躍を見せれば1億円超えは間違いないところ。今季の出場数は108試合だったが、来季、フルシーズンでの出場と本塁打増でトリプルスリーなどが見えてくれば、年俸が倍増してもおかしくない。
来年の契約更新での1億円超えが見込めるもう一人は山崎康晃だ。2014年のドラフト1位で新人王を獲得し、今季は33セーブを記録。今年の契約更新は8000万円でサインしたと報じられている。
チームにおける信頼感はもちろん、CSなどでファンが見せた「康晃ジャンプ」のように、ファンからの人気ぶりからすると、すでに1億に達していてもおかしくないと思えるほどの存在感がある。来季も30セーブ以上を挙げることができれば年俸1億超えは間違いない。
今年の契約更改の状況から、今後の大きなステップアップが期待される選手はまだまだいる。そのうちの一人は今年のCSでも重要な役割を果たし、チームをファイナルステージまで引っ張った井納翔一だ。シーズンの成績は7勝11敗と負け越してしまったものの、来季こそ勝ち越しての2ケタ勝利を達成し、エースの座を手中にすれば、次の契約更改での1億超えは期待できる。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)