ロッテといえば、ソフトバンクにとって忘れられない苦い過去がある。
2005年はシーズンを勝率1位で通過しながらプレーオフで敗れ、2010年にはリーグを制覇するもクライマックスシリーズで敗れ、「見ているだけの日本シリーズ」にさせられた。
しかし過去は過去。2015年、2016年と2年続けてクライマックスシリーズでロッテと対戦し、ソフトバンクの5戦5勝。今では嫌なイメージを完全に払拭している。
昨季のソフトバンクの対ロッテの成績も16勝8敗1引き分け。2014年から3年連続で勝ち越し中だ。
昨季、ロッテに大きく勝ち越したソフトバンクだが、実は2点差以内のゲームに限っては7勝6敗1分とほぼ互角の戦いに持ち込まれている。
というのもソフトバンク打線は、ロッテの中継ぎ陣に苦戦しているのだ。ロッテ中継ぎ3投手の対ソフトバンク戦の成績を見てみよう。
南昌輝:9試合/2勝/1ホールド/防御率1.50
松永昂大:10試合/1勝/1ホールド/防御率2.25
内竜也:5試合/2勝/2ホールド/防御率0.00
昨季、ソフトバンクがロッテに喫した8敗のうち5敗は、ロッテ中継ぎ陣に白星を献上しての敗戦。接戦で星を落としているのがわかる。
ちなみにソフトバンクの中継ぎ陣はバリオス、サファテがそれぞれ1敗、スアレスは3敗も喫している。僅差のリードでロッテ中継ぎ陣が好投し、ソフトバンクの外国人投手が打たれているのだ……。来季は、そんな場面はもう勘弁だ。
しかし、先発投手陣の対ロッテの成績を見ると、千賀滉大が4勝(0敗)、防御率2.36、和田毅が3勝(1敗)、防御率2.48、バンデンハークが2勝(0敗)、防御率1.20と結果を残している。
一方、打線も柳田悠岐が打率.366、5本塁打、21打点、中村晃が打率.326、1本塁打、12打点、内川聖一が打率.311、3本塁打、16打点、松田宣浩が打率.247、5本塁打、14打点と、特に主力は打ちまくった。
先制点を挙げ、先発投手がしっかり抑え、試合前半でロッテの戦意を喪失させる。来季のロッテ戦では、1試合でも多くこの試合展開に持ち込みたい。
今季の開幕カードは、ヤフオクドームにロッテを迎えての3連戦だ。2000年以降、ソフトバンク(ダイエー時代も含む)とロッテが開幕戦で対戦したのは5回。そのうち4回(2000年、2003年、2014年、2015年)は、ソフトバンクがリーグ優勝を果たしている。ロッテとの開幕戦は、縁起のいいシーズンともいえる。
ロッテは乗せると怖いチーム。それは十分にわかっているので、地の利を生かして開幕戦で3タテを食らわし、「やっぱりソフトバンクは強い」と思わせて、優位に立ちたい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
北海道生まれ北海道育ちも、ホークスファン歴約40年。北海道日本ハムファイターズの本拠地がある札幌市在住で広告代理店を営む47歳。年男である。ロッテといえば、昨年10本塁打を打たれたデスパイネがいない……、というか、ソフトバンクはデスパイネを獲るの? 獲らないの?