週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

交流戦の鬼! ソフトバンクの交流戦成績と、レギュラーシーズン成績の不思議な因果関係とは?


 セ・パ交流戦が始まって、12年目となる今シーズン。ソフトバンクは過去には2008年、2009年、2011年、2013年、2015年と、5度の勝率1位に輝いている。

 もちろん交流戦の優勝回数は、12球団でナンバーワン。しかし、その歴史を紐解くと、交流戦を勝率1位で終えたシーズンは、必ずしもペナントレースで好結果を残したというわけではない。

交流戦優勝からリーグ最下位に転落


 2008年の交流戦は、最終戦まで4球団が優勝の可能性を残す大接戦となった。東京ドームでの巨人戦に勝利したソフトバンクが、阪神と同成績ながら初優勝。実は「昨季順位が上位のチームが(交流戦では)上位にランクされる」という当時のルールに救われて、優勝を手にした。

 これで運を使い果たしたのか、後半戦のソフトバンクは失速。「それでもクライマックスシリーズ(CS)は進出間違いないだろう」というファンの楽観ムードも、9月になって怪しくなる。気づけば12年ぶりのリーグ最下位となり、王貞治監督(当時)が退任した。


 秋山幸二新監督を迎えた2009年は、18勝5敗1引き分けと圧倒的な強さで2年連続の交流戦優勝。7月にはリーグ首位に立ち、「今年はいけるでしょう」と、思ったのも束の間。またまたズルズル後退して、3位でレギュラーシーズンを終えた。


CSでは楽天にあっさり敗れてジ・エンド。ちなみにこの年のソフトバンクは74勝65敗5引き分け。交流戦がなければ56勝60敗。パ・リーグでは負け越していたのだ。

史上初の11球団勝ち越し完全優勝!



 2011年は18勝4敗2引き分けで3度目の交流戦優勝を果たしたソフトバンク。全11球団に勝ち越す完全Vで日本シリーズも制した。

 2013年の交流戦は15勝8敗1引き分けで4度目の優勝。しかし後半戦は、またまたズルズル後退で4位となりCSにも出場できず。

「来年こそは!」とチームが躍起になって鶴岡慎也、中田賢一、岡島秀樹、デニス・サファテ、ジェイソン・スタンリッジ、ブライアン・ウルフ、李大浩ら、なりふり構わぬ大補強を断行。顰蹙(ひんしゅく)を買ったのは、記憶に新しいところだ。

 そして昨季。2015年の交流戦は12勝6敗で5度目の優勝。リーグ優勝も果たし、日本シリーズも制したのである。

 交流戦勝率1位を記録した過去5シーズンのうち、日本一には2度輝き、一方でBクラスが2回と、なんとも極端な結果を残しているソフトバンク。交流戦で優勝することが、吉兆でもあり、不吉でもあるといえるかもしれない。


今季、6度目の交流戦1位を狙う可能性は?


 しかし今季も当然、6度目の交流戦勝率1位を狙うソフトバンク。昭和40年代の巨人・V9時代には、戦力面よりも巨人ブランドに委縮していた感がある当時のパ・リーグのように、「ソフトバンクは強いからなぁ……」と、セ・リーグ球団が思ってくれればくれるほど、交流戦は優位に働くはず。

 まあ交流戦優勝よりも、目標はその先のレギュラーシーズン優勝なんだけどね……などと書いたら、他の11球団のファンから、顰蹙(ひんしゅく)を買いそうだ……。


文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理店を運営する傍ら、ライター、イベントなど、スポーツ関連の仕事を精力的にこなす。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年。交流戦は6度生観戦しているが対戦成績は1勝4敗1引分けと分が悪いので、今年は観戦を自粛し自宅で応援する予定。

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方