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【プロ野球】CS進出のため生き残れ! パ・リーグ熾烈な3位争いの歴史

 シーズン最終盤を迎える中、パ・リーグは熾烈な3位争いが続いている。1位ソフトバンク、2位日本ハムが決まり、CS進出が懸かった3位をロッテと西武の2チームが争う。現状では残り試合の多いロッテが有利という状況だが、まだまだ予断は許さない。

 2004年、CSの前身であるプレーオフ制導入以降、パ・リーグではCS進出を懸けた3位争いの歴史がある。その熱戦を改めて振り返ってみよう。


プレーオフ初年度、日本ハムとロッテの争い


 パ・リーグでプレーオフが導入された2004年、プロ野球界は近鉄とオリックスの合併問題に端を発した球界再編問題で揺れていた。そんな中、パ・リーグで3位争いを繰り広げていたのが、北海道移転1年目の日本ハムと、ボビー・バレンタイン監督が復帰し活気に沸くロッテだった。

 9月に入り、両チームともに一進一退の状況が続く中、9月18・19日とプロ野球選手会がストライキを決行。この2日間に開催予定だった試合は、全て中止となった。

 4位のロッテは9月21日のシーズン最終戦で西武と対戦。ベニー、フランコ、李承?の3連発で逆転勝ちし、プレーオフ進出に向けて、最後の望みをつないだ。しかし3位日本ハムは、シーズン最終戦となる24日のオリックス戦に勝利してシーズン3位が確定。プレーオフ進出を決めた。日本ハムとロッテのゲーム差はわずか0.5差だった。

ロッテが本拠地3連戦を制しCS進出


 2010年、ロッテは新キャプテン・西岡剛の攻守にわたった活躍と、2番に座ったルーキー・荻野貴司の奮闘もあり、開幕から首位をひた走る。

 しかし、シーズン途中で戦線離脱者が相次ぐなど次第に失速。9月に入ると首位戦線から脱落して3位となり、4位日本ハムの追い上げもあって4位転落の危機を迎える。

 そんななか、シーズン残り3試合となって迎えた本拠地3連戦。ひとつでも負ければシーズン4位決定というプレッシャーがかかるなか、9月28日の楽天戦、翌29日のオリックス戦と連勝。特に2試合とも勝利投手となった、内竜也の好リリーフが光った。

 そして雨天中止を経て迎えた10月1日のオリックス戦では、5ー4で競り勝ちCS進出を決めた。その後、勢いに乗ったロッテは西武とのCSファーストステージで2試合とも延長戦を制し連勝。さらにソフトバンクとのファイナルステージも1勝3敗から三連勝して、日本シリーズに進出する。

 中日との日本シリーズも4勝2敗1分とし、「3位からの下克上」日本一が完成した。

西武が「1毛差」でオリックスに競り勝つ


 2011年のシーズンでは、8月まで最下位に沈んでいた西武がドラマをみせた。

 ベテラン・西口文也の復活、主砲・中村剛也の活躍で追い上げを見せた西武は、9月27日の楽天戦で9年ぶりの10連勝を挙げ、最大15あった借金を返済して、勝率を5割に戻した。

 9月だけで19勝5敗2分と大きく勝ち越し、10月に入ってからも3位オリックスとの差をジリジリと詰めていく西武。しかし、残り3試合でソフトバンク、ロッテと2試合連続で引き分けとなり、自力でのCS進出が消滅してしまった。

 そして10月18日の日本ハムとの最終戦に勝利した西武は、同日行われるオリックス対ソフトバンクで、オリックスが負ければCS進出決定という条件となった。

 本拠地・西武ドームでの試合となった日本ハム戦では4ー3で勝ち、選手たちはファンとともにオリックス対ソフトバンクの結果を待つ。そして、オリックスが1ー4で敗れたことで、西武の3位が確定。勝率は西武が5割4分7毛、オリックスが5割4分6毛と、わずか「1毛差」の僅差で、西武が逆転3位となったのだった。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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