2006年の主役は何といってもSHINJO。SHINJOが4月にこのシーズン限りでの引退を発表すると、チームは45年ぶりの球団最多タイ(当時)となる11連勝を記録するなどの快進撃でレギュラーシーズンを1位で通過。
日本シリーズ進出をかけたプレーオフ第2ステージでは、ソフトバンク・斉藤和巳を相手に劇的なサヨナラ勝ち。その勢いで日本シリーズでも中日に勝利し、感動のままSHINJO劇場は幕を閉じた。
SHINJOが引退、小笠原道大がFAで巨人へ移籍、岡島秀樹もFAでメジャー行きと戦力ダウンが懸念された2007年だったが、球団史上最多となる14連勝を記録して交流戦を初優勝。その勢いのままに球団史上初のリーグ2連覇を達成した。
この年から名称変更されたクライマックスシリーズ(CS)はロッテと第2ステージを争い、壮絶なデットヒートを制して日本シリーズに進出。ただ日本シリーズでは中日・山井大介に「完全に」やられてしまった。
この年はダルビッシュ有(現・レンジャーズ)の活躍に尽きる。15勝5敗、防御率1.73、勝率.750の好成績でチームをリーグ優勝に導いたが、故障のため楽天とのCS第2ステージでは登板を回避。スレッジの劇的な逆転サヨナラ“お釣りなし”満塁本塁打などで楽天を下して日本シリーズへ進出した。
巨人との日本シリーズでは結果的に2勝4敗で敗れた。しかしダルビッシュが登板した第2戦、故障が完治しない中で100キロ台前半のスローカーブを有効に使い勝利した試合は、本人が言うとおり「一世一代の投球」だった。
2012年は絶対的エースのダルビッシュがメジャーに行ったこともあり、シーズン前の下馬評は決して高くなかった。
しかし、MVPを獲得した吉川光夫に磐石のリリーフ陣、打線では中田翔、糸井嘉男、陽岱鋼らの活躍もあって見事に優勝。CSファイナルステージではソフトバンクを相手に3連勝で日本シリーズ進出を決めた。
巨人との日本シリーズでは、前回と同様に2勝4敗で敗退。後楽園球場を本拠地にしていた東京時代を含めて、対戦した3回とも王手すらかけられない屈辱を味わった。
日本ハムが北海道に本拠地移転をしてから今回が5度目のリーグ制覇。これまではシーズンを1位で通過をすれば、すべて日本シリーズに進出しているが、日本一の栄冠は残念ながら2006年のみ。
まずは直前に控えたCSの戦いが重要ではあるが、筆者としては2012年に東京ドームに置いてきた「忘れ物」を是非とも勝ち取ってもらいたい!
文=サトウタカシ (さとう・たかし)