187センチの長身から豪快に投げ下ろすストレートは、最速151キロを叩き出す。圧倒的な出力の大きさを感じさせる世代屈指の剛腕だ。この冬、柔軟性向上を中心としたベースアップに取り組み、上・下半身の連動性が向上。上体に頼りすぎる傾向が緩和され、連投にも耐え得るフォームが身についた。本人が臆せずに語る「甲子園で最速記録を更新する」、「沢村賞投手になる」という壮大な目標に目が向いてしまいがちだが、その裏にある、自身を客観視し、現状把握に基づいた課題克服に取り組める実直な姿勢こそ、剛腕の本質だ。登板の有無に関係なく、味方の攻撃時に、率先してベンチで声を張り上げる姿にも、“エース”としての責任感が感じられるように。(2018年6月) ■どんな選手?/高校生右腕トップクラスの評価を受ける剛腕。高出力のエンジンを生かすスムーズなフォームへの改良に成功するなど、着実に進化を続けている。注目される最速151キロのストレートだけでなく、鋭いスライダー、緩いカーブを織り交ぜ、高いレベルの“ピッチング”ができるようになった点も◎。■プロでの成功イメージ/春以降、試合での組み立て、ペース配分が上手くなるなど先発適性は十分だが、早期に1軍に食い込むならば、球威を生かしたリリーフか。短いイニングで圧倒する姿も見てみたい。■プレーヤータイプ/石川柊太(ソフトバンク)。“圧”を感じるストレート、角度が持ち味である点が共通。(2018年10月)